トップ > ご挨拶・教育理念・沿革
高等学校教育においても家庭科は平成6年度から男女とも必修となりました。時代の変化と共に家庭における男子、父親の役割も大きく変わってきました。
また自然環境、社会環境の変化は著しく、私たちの生活をとりまく食物、被服あるいは住居のどれをとってみても現代科学の進歩と無縁のものはありません。そして私たち心身の健康がこれらのすべての要因と密接に関連していることも忘れてはなりません。
私たちの人間生活系コ-スでは、このような時代の変化に対応できる自立した生活者としての生き方の探求や新しい理想的な家庭および職場環境をつくるための研究と実践が続けられています。皆さんの新しい息吹と熱意が完全燃焼できる教育と研究の場となり、また将来への躍進の場となることでしょう。多くの方々が志望されることを願っています。
人間生活系コースでは、人間と環境との相互作用である人間生活を探究し、家庭生活を中心とした教育の理論と実践について研究・教育を推進しています。人間生活系コ-スには、人間生活教育学・人間発達科学・住生活科学・食生活科学・衣生活科学の分野があり、専門的能力を備えた人を育てて社会に送り出しています。中学校および高等学校の家庭科教師や生活関連の職業に就いて社会で活躍する人の養成を目標にしています。
このような教育・研究を行なう上での教員組織・教育内容・施設設備のいずれをとっても、他大学の同様な講座やコ-スと比べて抜群に充実していると自負しています。さらに、高度な学問を目指す人には大学院人間社会科学研究科が設置されており、将来、優れた研究者・指導者として活躍する道も開かれています。
また、平成11年度までの教育学部「家政教育学専修」および学校教育学部「家庭専攻」を統合し、平成12年度より教育学部「人間生活系コ-ス」と名称変更しました。
私たちが日々暮らしている家庭は社会の最小単位であり、また職場は昼間の社会の単位として機能しています。現代科学の急速な進歩と技術革新は社会のみならず家庭の様相を大きく変化させてきました。家庭における家族一人一人の生活および職場における一人一人の行動をその物理的環境、精神的環境、身体的環境さらに社会的環境というさまざまな視点で考え、研究し、未来の社会を築く若い世代に伝えていくところ、これが人間生活系コ-ス(人間生活教育学)なのです。
人間生活系コ-スの沿革と特色について簡単にご説明します。
まず、私たちの大学、広島大学(通称 広大<ひろだい>)の歴史と背景をお話しします。広大は、広島文理科大学、広島高等師範学校、広島女子高等師範学校、広島高等学校、広島高等工業専門学校などが統合され、新制大学として昭和24年に設置されました。現在では、12学部を有する全国でも有数の総合大学となり、学生数約17,000人、教員数約1,700人の大規模な国立大学に発展しています。広大キャンパス内にある樹木と同名のエジプト神話に出てくる霊鳥フェニックスのように、原爆被災の廃墟の中から不死鳥のように蘇った学問の府なのです。したがって、ここに学ぶ学生や教員は誇りをもち、不撓不屈の精神をはぐくんできています。
このような歴史と背景をもつ広大の中にあるこの教育学部も、長い伝統をもつ旧教育学部と学校教育学部が改組・再編され、平成12年度に新しい姿に衣替えして発足しました。それにともなって、旧教育学部の教科教育学科家政教育学専修と学校教育学部の中学校教員養成課程家庭専攻がひとつになり、人間生活系コ-スとなりました。