乳幼児期から老年期まで、人の生涯発達における各時期の特徴を学び、生活する主体としてのヒトを理解します。
今日、我が国は少子高齢社会を迎え、私たちのライフサイクル(人の一生)は大きく変化しました。このような中で、人間の発達をライフサイクル全体を視野に入れてとらえることは、人間を理解する上で不可欠の視点になっています。
我が国は物質的には豊かな社会になりましたが、少子化に伴う幼児期における仲間関係形成の困難、異年齢の子どもたちが交流する機会の減少、思春期におけるさまざまな問題、子育てのストレスや乳幼児虐待、独居高齢者の増加や高齢者介護の問題など、ライフサイクルのどの段階にも、人間の健全な発達に関わる重要な問題が存在しています。また、衣生活・食生活・住生活のあり方も、個人や家族の心身の健康に大きく影響しています。
人間発達科学分野では、このような乳幼児期から高齢期に至るまでの個人と家族の発達と、それぞれのライフステージにおけるさまざまな問題について、生活の視点を加えながら、自然科学と人文・社会科学の両面から総合的に研究しています。
学部学生・大学院生の研究テーマは、「父親の幼児への抱きしめ行動が対児感情に与える影響」・「養育者のきょうだい間調整行動が幼児の幼稚園での対人行動に与える影響」・「保育園3歳齢児クラスにおける保育士の給食指導に関する研究」・「大学2年生女子学生の調理行動の分析による段取り力の研究」・「中日の女子大学生の自己概念が化粧行動に与える影響」・「青年の恋愛意識と交際中の恋愛行動が交際の継続性に与える影響」・「祖母による子育て支援に関する研究」など、人間の一生を通じての心身や社会性の発達を柱に、多岐にわたっています。
『人間発達科学』ではこんな授業をしています。
『人間発達科学』分野の授業